県の都市計画案を取り下げてもらいました
―五個荘小幡町住民Tさん―

 新幹線の音が少々気になるが、のどかさと地下水が出るとのことでこの小幡に来て15年。

 住み始めた頃、裏の空き地には菜の花が咲き静かだった。その土地が企業の製品置き場に貸し出されてからは、大型クレーン車やトレーラ等を使い、昼夜問わず作業され、子どもが遊ぶと、危険ではないかと伝えると、都度対処はしてくださったが、根本的解決には至らなかった。

 いつ又あの騒音と振動、粉塵に悩まされる日々が来るのかと不安に思う。そんな工業用地に隣接した住宅地に住んでいる。

 ある日突然、前田さんから都市計画の用途地域変更を聞いた。工業地域が拡大し、私たちの住んでいる住宅地もその中に入ってしまうという内容だった。

 公聴会の開催を、公述申請期限寸前に知らされた。あわてて私たち住民の思いを文書にし、近所の皆さんに呼びかけて、署名を頂き、提出。 公聴会では、自治会長、前田さんとともに、今までの環境悪化の経緯と、これが今後さらに著しいものとなれば、住めないことを主張した。

 計画は見直されたものの、私たちが住む土地が、安心安全になったとは、言いがたい。

 今回前田さんが知らせてくだされなければ、知らないまま何もかも決定されていたであろう。近隣住民からは、「当事者には、直に行政からの説明があってしかるべき」との声があがった。 このままでは行政不信は、払拭できない。私たちは、自分の住む土地が安心安全で、静かな落ち着ける場所であってほしいと願うだけである。

 そんなささやかな願いを行政と企業が打ち砕く。経済活動優先の歪みが私たちを不幸にする事は、この日本ではよくあることだと、常々感じ、腹立たしい。

 また子どもを育てる中、子どもと世の中の不条理のはざまで思い悩み、未来はどうなるのかと憂える。どうか未来にこれ以上の負債を残さない行政運営であってほしい。

 最近食料自給率のことが気になる。先進国中日本は、最下位の40%程度。また現在、農薬散布、化学肥料の多用等で地力が衰え、昔より野菜の栄養価が著しく低下しているそうだ。 一方あたりを眺めると、この小幡でも家々の間の畑がシートをかけられ放ってある。かつて、新鮮で安全な野菜が、収穫されていたであろう。もったいないと思い、今、近所の方々に畑をお借りし、耕し始めている。

 一人一畳程度でも、沢山の人が耕せば、もっと豊かで美しくなるのに、と思い、そんなネットワークのようなものができないかと感じている